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June 22, 2008

夢のポルシェ2台生活・・・?

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いやぁ、注文していたポルシェ・カイエンがやっと納車されましてね。車種はカイエンのなかで最もオンロード志向の強いGTSで、エンジンは4.8リッターV8の405ps、しかもその6段MT仕様を選択。たとえそれがカイエンでも、ポルシェにはやっぱりマニュアルで乗りたいと思ったわけですよ。

街で見るカイエンはブラックが圧倒的に多いので、ボディカラーは思い切ってマルーン系に。横に並ぶシグナルグリーンの964C2GTとの相性もちょっと考えてね。・・・・・というのはもちろん真っ赤なウソ。実は某一般誌でポルシェ特集をやることになり、そのカラミで1日半だけカイエンGTSのオーナーになったのでありますね。

それにしても、こうしてガレージに2台並べてみると、カイエンはデカいですね。でもね、意外だったのは、大きいわりに車庫入れが楽なこと。以前、アルミボディの現行ジャガーXJに乗ってきたときは、何度か切り替えしてやっと収まったんですが、カイエンGTS、意外にもほとんど1度で望む場所に収まりました。

ヒップポイントが高いので周囲の見通しがいいこと、それに意外なほどステアリングが切れるのが車庫入れを楽にしている要因だと思います。都内では女性が運転しているカイエンをけっこう見掛けますが、想像するより取り回しがいいので、街乗りも存外に楽だったりするからなんですね。

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カイエンGTSの広報車がMT仕様だと知ったときには、4.8リッターもあるV8にMTは無用の長物ではないかと思ったんですが、必ずしもそうではなかったです。このV8がなかなかスポーティな息吹を持ったエンジンであるだけに、マニュアルで自在に走らせるのが存外に爽快なんですね。

それとこの6段MT、911のそれほどではないけれど、シフトの歯切れがよくて、操作がなかなか気持ちいいんですね。ちなみにGTSはMT仕様で車重2300㎏、0-100km/h加速6.1秒、最高速253km/hというスポーツカー並みのパフォーマンスが公表されています。

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GTSの標準サスペンションはPASMを備える金属スプリング仕様ですが、実はこのクルマはオプションのエアサスを装備しているとのこと。車高は他のカイエンより低くも設定されているので、プロフィールもけっこう締まって見えますね。しかもこの21インチのホイール&タイヤもGTSに標準装備。ちなみにGTS、標準価格1020万円也であります。

でもですね、僕の個人的思考とライフスタイルからいって、911とカイエンというポルシェ2台生活は僕には現実味がありません。やっぱりカイエンは僕の好みからすると大き過ぎる。むしろ僕は、911やボクスター&ケイマンよりも小さいポルシェの出現を望みますね。

例えば最近注目されているトヨタIQのような、必要なときには4人乗れるコミューターをポルシェがつくったら、しかもそれがポルシェらしいデザインとポルシェらしいドライビングプレジャーを持っていたりしたら、多少高くても欲しくなっちゃいますね、きっと。

964C2GTと、小さくてエコなポルシェ・コミューター。それが僕の夢のポルシェ2台生活。ヴァイザッハのボス、デュルハイマーさん、次は是非そんなポルシェの開発を!!!

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June 19, 2008

新911で走るヴァイザッハ・テストサーキット。

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13日の朝、またまた成田を発ってドイツ、フランクフルトへ。そこから向かった先はポルシェの開発拠点、ヴァイザッハ研究開発センターでした。

そこでは911の新型、つまりタイプ997の後期型が、ブランニューの直噴エンジンとツインクラッチ2ペダルMTの「PDK」を搭載して、僕らを待っていたのです。

このブルーの911クーペは新しいカレラSですが、これでかの有名なヴァイザッハのテストサーキットを1ラップする画像をお届けしましょう。

ただしステアリングを握っているのはポルシェのテストドライバーで、僕は助手席からLUMIX FX100のシャッターを押していたのですが。

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ここはNorthern curve=北カーブに入っていく手前のブレーキングゾーン。一番下にあるサーキットの図面で左の直線の先のほう、215km/hの表示があるあたりですね。

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これがNorthern curve=北カーブのアペックス付近。このあたりでスロットルを閉じると、911はスムーズにテールを張り出します。

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ここがコース図にあるAlter Hof。コースは左に曲がりながら下ったのち、すぐに右に曲がって坂を上っていきます。

それにしてもテストコースにありがちな殺伐とした雰囲気など皆無の、なんと綺麗なサーキットなのでありましょう!

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ここはZ-Hang。パイロンでさえぎられた左に進まないで、右上に向かうカーブに進入していきます。空、雲、緑、すべてが美しい。

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ここはZ-Hang直後の合流地点。ここからコースは緩やかに右にカーブを描きつつ、徐々に下っていくわけです。

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そしてこの先がコース南東端のタイトなヘアピン、Flachter Spitze。コーナリングスピードは最も低い50km/hに落ちます。

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Flachter SpitzeからSouthern curve=南カーブに向けて、逆光のなかを加速していく911カレラSのダッシュであります。

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Southern curveから彼方のNorthern curveに向けて、緩くカーブするストレートを加速していくあたりの光景。

ブレーキングポイント手前の215km/hの最高速からも、このコースがあまり大きくないことが分かるのではないでしょうか。

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ポルシェの制作になる、911カレラSによる各ポイントのスピードと横向き加速度、つまり横Gを表記したコースマップであります。

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June 09, 2008

ポルシェ・スポーツカー60周年イベント、後半。

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ポルシェ・スポーツカー60周年イベントの最終日は、現在ドクター・ウォルフガング・ポルシェが所有しているというツェル・アム・ゼーのポルシェ家のハウスを訪ねることから始まりました。

右の白い壁の建物がその母屋ですが、カントリースタイルのホテルかと見まごうほど立派な3階建ての建物で、奥に見えるやや小さめの別棟がポルシェ家のチャペル。つまり、フェルディナントとフェリーのポルシェ父子はここに眠っているのです。

その前庭にパークしているオレンジブラウンのクーペが、手叩きのアルミボディを持つ極初期のポルシェ356、通称「グミュントクーペ」。1948~50年頃に文字どおりグミュントのワークショップから、クーペが44台、カブリオレが8台生み出されたといいます。

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そのグミュントクーペのコクピット。シートは意外にも左右が繋がったベンチタイプで、それゆえ後の356と違ってリアシートはなく、リアはラゲッジスペースになっています。

エンジンはVWビートル用の1086cc空冷フラット4をツインキャブレター等で40psにチューンしたもので、4段ギアボックスを介して140km/hの最高速に導いたとされています。

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この日は、今から60年ほど前にフェリー・ポルシェやフェルディナント・ポルシェも走ったグロスグロックナールートを辿って、ツェル・アム・ゼーからグミュントに向かうというドライブ。

グロスグロックナー峠の麓で猫背のリアビューを見せるのは、僕とカルロス・マタモロス君のコンビが峠越えに挑んだ1954年356 1500クーペ、日本での通称「プリAクーペ」で、僕らの試乗に供されたヒストリック・ポルシェのなかで最も旧いモデルでした。

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55psの1.5リッター空冷フラット4に鞭をくれながら至福のドライビングを味わう僕を、カルロス君が撮ってくれたショット。あくまで丸いウインドーグラフィック、サングラスのような色つきプラスチックのサンバイザー、などに注意されたし!

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こちらは僕がステアリングを握りながらパチリとやったショット。シルバーのダッシュボードやドアフレームと赤い内装のコントラストがお洒落なインテリア、それに丸いウインドシールドに切り取られたグロスグロックナーの山々。

これ、今回僕が撮ったなかで最も気に入っているショットの1枚であります。

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この道、実は有料だけあって観光道路としてよく整備されていて、頂上近くに至ってもけっこう道幅が広い。それにしてもこのダッシュボード、50年代のクルマとしてはなんと立体的なデザインか!

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標高2428mのグロスグロックナー峠の頂に上り着くと、周囲には絶景が広がり、空気はひんやりと冷えていました。

ウインドシールドが中央で直線的に折れ曲がっているのがプリAモデルの最大の特徴。後方の赤いのは1963年356B 1600クーペであります。

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プリAクーペにせよAクーペにせよ、お椀を伏せたようなこの徹底した丸さが初期型356の大きな魅力でありますね。ボディサイズは3950×1660×1300㎜、ホイールベース2100㎜、車重830kg。

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峠からの下りのルートでは、赤い997カレラ4Sカブリオレに乗ったポルシェのオフィシャルカメラマンの迎撃をうけました。

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さらに下っていくと道の周囲から雪は消え、初夏の高原の景色が戻ってきます。4輪ドラムのブレーキは決して強力ではありませんが、この下りに見事に耐えていました。

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グミュントに着いたところでクルマを交換、今度は手前にある1958年356A 1600Sスピードスターのステアリングを握ります。

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これが356ナンバー1 ロードスターやグミュントクーペが生み出されたポルシェ・スポーツカー生誕の地、グミュント郊外の元設計事務所兼工場の建物。

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1600Sスピードスターはパワーが75psもあるので活発に走り、しかもステアリングやサスペンションも適度に締まっているため、プリA1500クーペよりずっと御し易いクルマでした。遥か前方のシルバーがプリAクーペ。

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2日間に及んだヒストリック・ポルシェによるグランドツーリングの最後に乗ったのが、赤い1988年911スピードスター・ターボルック。356より遥かに速いけれど、911もまぎれもなく356と同族のポルシェでありました。

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June 04, 2008

ポルシェ・スポーツカー60周年イベント、前半。

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ポルシェ設計事務所の第二次大戦中の疎開地だったオーストリアのグミュントで、フェリー・ポルシェが最初のポルシェ・スポーツカーである356ナンバー1ロードスターを生み出したのが1948年。したがって今年はその60周年目の年に当たります。

そこでポルシェは5月末、オーストリアを舞台にしてそれを記念したプレスイベントを開いたのですが、モータージャーナリストのなかでも旧いクルマが人一倍好きな僕が、嬉しいことに日本からたった一人、そこに招かれたのでした。

5月29日、成田からフランクフルト経由でオーストリアのザルツブルクに飛び、その空港から迎えのカイエンに乗って着いたのが上の写真のホテル。実はここは一昨年、某日本車の国際試乗会で訪れた場所でした。

それはさておき、タワーと呼ばれる建物の左右に2台356カレラが並んで、僕を迎えてくれたのです。実はこの2台、ポルシェAGの所有車ではなく、このホテルのオーナーのコレクションなのでありますね。

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当日夜のディナーの主役はこの方、ドクター・ウォルフガング・ポルシェさん。356の生みの親であるフェリー・ポルシェの末息子で、1943年生まれの65歳。

ということは、あのフェルディナント・ポルシェ博士の孫にも当たるわけですが、ウォルフガングさんはエンジニアでもデザイナーでもなく、博士号の専門は経営。

現在、ポルシェに関する様々な監査役を務める他、ポルシェ・オートモビル・ホールディングス監査役会会長、さらに今年からVWの監査役も務めるなど、経営面の重鎮であります。

とはいえ、そこはポルシェ家の血を受け継ぐ人物、356スピードスターや959などをコレクションし、普段の足の1台が993というエンスージアストでもあります。

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ディナーの翌日はザルツブルク近郊のガイスバーグなる場所に移動。そこは1950~60年代に掛けてヒルクライムがおこなわれていた場所で、その麓でヒストリック・ポルシェが僕らを待っていました。

この3台はいずれもワークスのレーシングモデルで、左から1962年718W-RSスパイダー、1962年356B1600GSカレラGTLアバルト、1960年718RS60スパイダー。

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この3台のなかから1台、乗り逃げOKといわれたら、RS60スパイダーとちょっと迷うけれど、僕はやっぱりコレをとりますね、カレラGTLアバルト。

かつて日本でドライビングした経験はありますが、今回は名手ヘルベルト・リンゲさんの操縦による助手席ドライブが時間切れで適わず、まことに残念。

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その代わり、これの助手席には乗りました。僕が持っていたのと同じ1965年911。実はコレ、1965年のモンテカルロラリーにポルシェから送り出された最初の911そのものという、有名なクルマ。

テストエンジニアのペーター・ファルクとメカニック上がりのドライバー、ヘルベルト・リンゲの社員コンビで出撃したモンテでは、緒戦ながら見事に総合5位でフィニッシュしたのでした。

モンテ出場に際してもさしたるチューンは施さず、キャブレターを標準のソレックスからウェバーに替え、ダンパーをこれも標準のボーゲからKONIに替えただけとのこと。

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その1965年911、exモンテカーを駆るペーター・ファルクさん。今年75歳のファルクさん、物静かな佇まいのとおりそのドライビングはジェントルなれど、コースを見据える眼差しには間違いなく“男”が宿っていました。

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こちらの5台は僕らジャーナリストのドライビングに供されたヒストリック・ポルシェのロードモデルたち。

手前から1958年356A 1600S スピードスター、1954年356 1500クーペ、1963年356Bクーペ、1962年356Bカレラ2カブリオレ、そして1988年911スピードスター・ターボルック。

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その5台を反対側から見たのがこのカットであります。

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僕とメキシコ人ジャーナリスト、カルロス・マタモロス君のコンビが最初にドライビングしたのは、1962年356Bカレラ2カブリオレでした。

ステアリングを握りながらウインドシールドの上にコンパクトデジカメを突き出してシャッターをプッシュすると、こういう画像が・・・。

フロントフェンダーとボンネットの肉感的ラインがヒストリックカーならではで、なんとも官能的であります。

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これがその356Bカレラ2カブリオレ。カレラ2は130psを発生する2リッター4カムシャフト空冷フラット4を搭載、4段ギアボックスを介して最高速200km/hに達するといわれた、市販型356の最高性能モデル。

実際そのエンジンはすこぶるトルキーで、4カムのカレラというスペックから想像するよりずっと走り易いクルマでした。

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