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January 07, 2008

イチョウ並木のカフェレーサーたち。

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<すべての画像は画面をクリックするとサイズが拡大されます>

神宮外苑の絵画館に向かうイチョウ並木は道幅が広く、景観もどことなく日本離れしているためもあって、クルマ好きが愛車を停めて青山通り寄りにあるカフェ“せらん”のテラスから自分のクルマを眺めたりするのに向いているため、旧くは60年代から東京のクルマ好きが集まるカフェレーサーの名所的なスポットになってきました。そこに正月5日の昼下がり、ロータス・エランおよびマツダ・ロードスターに乗ったクルマ好きの友人2人と待ち合わせるためにアルファ・ロメオ ジュニアZに乗って出掛けたら、なななんと、イチョウ並木の両側はアルファ、ランチア、アバルトといった、ヒストリックな赤いクルマで埋まっていたのでした。これはそのなかの1台、アルファ・ジュリエッタSZと並ぶジュニアZの図ですが、実はこの2台、時代的にちょうど10年ほどの違いがあるものの、いずれもザガートのボディを纏った1.3リッターのアルファ・ロメオ・スポーツGTという点で、共通する2台なのです。

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とはいっても、共通するのはそこまでで、SZはレースやラリーに出ることを主な目的として生み出されたコンペティションGTだけにボディ外皮はオールアルミ製であるのに対して、ジュニアZはロードゴーイングGTなのでボディの材質もボンネットとドアがアルミである以外はスチール製となってます。もうひとつ大きな違いは、SZが1960年の発表なのに対してジュニアZは1969年デビュー、1970年発売とちょうど10年の時代的隔たりがあり、それがボディスタイリングに明確に顕われていることであります。SZがフロントもリアも60年代初頭のクルマ独特の極めて丸みの強い造形で成り立っているのに対して、来るべき70年代を意識してデザインされたジュニアZは、各部に鋭いエッジが走っているわけですね。しかもこの、SZのまあるいお尻と、ジュニアZのスパッと切り落とされたコーダトロンカテールの対照的なこと。10年の歳月は、同じザガートのデザインをこうも明確に変化させたのでした。

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この日のイチョウ並木にはもう1台、ザガートボディの小型イタリアンGTがいました。それがこのランチア・フルヴィア・スポルトで、1.2~1.6リッターの狭角V4エンジンで前輪を駆動する、メカニズム的にも極めて個性的な成り立ちを持つクルマです。赤というよりはむしろオレンジ色のボディに黄色とブルーのボンネットストライプは、往時のランチアワークスのレーシングモデルのカラーリングを再現したものです。

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しかもフルヴィア・スポルト、デビューは1965年と、ちょうどSZとジュニアZのほぼ中間に位置するクルマで、ザガートデザインのボディの時代感も、SZほどクラシックでなく、ジュニアZほどモダンでもない、ちょうど2台のアルファの中間に位置しているように見えます。けれども、単に時代的に中間に位置するというだけでなく、全体に極めて個性的な造形で成り立っているのは、ランチアというブランドのテイストを当時のザガートのチーフデザイナー、エルコーレ・スパーダが見事に表現したものといっていいでしょう。ちなみにオーバーフェンダーを備えるこのオレンジ色のレーシングモデル風は、フルヴィア・スポルトとしては最後期の1600モデルで、1972年まで生産されていました。

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上に登場していたアルファ・ジュリエッタSZを別のアングルから。実はこのSZ、かつて僕の上司だった自動車誌『C』のK創刊編集長が乗っておられたクルマそのもので、僕もその誌上でロードインプレッションをリポートしたことがあります。この日、イチョウ並木に乗ってきていたのはK編集長のご子息で、コンレロの手になるハイチューンのエンジンを積んでいるにもかかわらず、現在は街中でも乗り難さはまったくないとのこと。実際この後も、低い回転数で滑らかにアイドリングし、事もなさそうに青山通りの流れに乗って走り去っていったのでした。

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これも60年代前半のイタリアを代表する小型GTのひとつ、フィアット・アバルト・モノミッレ。モノミッレとは「1000」の意味で、フィアット600をベースにしたシャシーのリアエンドに、同じくフィアットベースの1リッターOHVエンジンを搭載しています。ツインカムエンジンを持つこれの高性能版がビアルベーロですね。1964年のビアルベーロ風スタイルに仕立てられたコードトロンカボディは、トリノのカロッツェリアによるアバルト製ですが、元はといえばザガートのレコルドモンザがオリジナルですから、ここにもザガートの血が注ぎ込まれているわけです。

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予想外の赤の軍団の出現で、ちょっと影が薄くなってしまいましたが、僕がこの日ここにやってきた本来の目的のひとつは、イチョウの木の向こうにボディの中央が隠れてしまっているライトブルーのエランと、ウチの赤いジュニアZとのデートのためでした。僕の旧友が乗ってきたこのエランは最後期のシリーズ4で、初期型よりは重いとはいえ700㎏に満たないFRP製オープン2座ボディを、1.6リッターのロータスツインカムで軽々と引っ張ります。ジュニアZから乗り換えてドライビングしてみると、ほぼ同時代の小型スポーツカーでも、イタリアンとブリティッシュはこうも違うものかと、あらためて実感させられたのでした。

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様々なカフェレーサーが互いの場所を換えてパークしていたイチョウ並木も、僕が立ち去る直前にはこういう状態になっていました。手前に僕のジュニアZ、その奥にアバルト・モノミッレ、さらにその奥にもう1台のジュニアZ・・・・・・。いずれもテールはカットオフされたコーダトロンカを競っているのを、画面をクリックした拡大画像でご堪能あれ。

それでは今年も、どうぞよろしく!

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Comments

私の日産レパードをベースにしたザガート・ガビアは1993年のデビュウです。その数年前に発表されたアストンマーチン・ヴァンテッジ・ザガートとの間にデザインの共通性があるように感じます。同じレパードベースのステルビオとは、別のデザインテイストだと思います。トランクスペースの小さな事は驚きですが、さすが、ベースが日本車なので、メカニカルトラブルは出た事がありません。パワーも充分有りますし,長く付き合っていきたいと考えています。

Posted by: 燃費男 | January 20, 2008 09:19 PM

こんにちは。いつも楽しく読ませていただいています。また、「ポルシェ911全仕事」も座右の書として熟読させて頂いて下ります。私は空冷ポルシェ911大好き人間でして、現在7台所有するに至っております。伊太車も面白いのでしょうが未知の世界で、とても勉強になりました。また、空冷ポルシェ911でカフェレーサーを作ってみたいと強く思いました。

Posted by: Kazu | January 18, 2008 10:59 AM

黄色いZさん、
そう、ライトブルーのエランはエスロクレーサーさんのクルマでした。

komiさん、
モノミッレの精悍なボディとリアの強烈なネガティヴキャンバー、僕も痺れました。

高尾山のJrzさん、
そう、通りすがりでこんな場面に遭遇したら、僕だって驚いちゃいますよ、きっと。

ねぎとろさん、
近くの山とは赤城山のことでしたか。
有名なフルヴィアとはフルヴィア・クーペHFのことでしょうね、きっと。
で、このザガートボディのフルヴィアはスポルトが正式車名なのです。

ヒゲのJrZさん、
「ゆるい」イベント、大賛成です。
特にラテンのクルマの集まりは、「ゆるい」のが合っていると思いますね。
また何かの機会によろしく!

kemekoさん、
コメントありがとう。
間違っていたらゴメンなさいですが、kemekoさんはもしかして、上から4番目の写真でフルヴィアの右リアフェンダーの横に立っている黒いコートの女性の方・・・?

marqueさん、
今年はいらっしゃらなかったとは、残念でした。

MV酒井MHRさん、
ジュニアZ、それは残念でした。
もしも僕が手放すことになったときにはご連絡しましょうか、な~んて・・・。
取り敢えず今は159TIをエンジョイしてください。
それにしてもそのオーナーの方、80歳近くなってジュニアZに乗っておられるとは、カッコいいご老人ですね。

kenkenさん、
ジュニアZとエランの違い、イタリアンとブリティッシュの違いは多岐にわたりますが、シンプルに総括すると、イタリアンは長距離を走ることを意図して生み出されたグラントゥーリズモ系、ブリティッシュは短距離を俊敏に駆け抜けることが得意なスプリンター系、ということになると思います。
例えばその加速感でいうと、1.3リッター・アルファ・ツインカムと5段MTで息の長い加速を見せながらスピードを上げていくジュニアZに対して、1.6リッター・ロータス・ツインカムと4段MTで踏み込むと同時にグイッと瞬発力のある加速をするエラン、という違いがあるんですね。

Posted by: 吉田 匠 | January 12, 2008 07:14 PM

素人なのでわからないのですが「イタリアンとブリティッシュはこうも違う」とはどのように違ったのでしょうか?

Posted by: kenken | January 11, 2008 11:06 PM

返信頂き有難うございました、早々ジュニアZの持ち主に連絡しました、10年程前に一度打診されたのですがタイミングが合わず買えなかったのです、その後暫く乗っていなかったのでチャンスっ・・・っがここ2~3年また夢中になってるとの事(ガッカリ)。もう80歳近い方なんですよ!旭川から出したくないので手放す時は連絡下さいと念を押しておいたんですが!?  私は昨日159TIの購入を決め今月末に納車になると思います、30年来ドイツ車との付き合いで初のイタ車になります、バイクは2台イタ車なんですが。ここも楽しみ覗きますんで頑張って下さい。旭川近辺に来る事があれば声をかけて下さい。

Posted by: MV酒井MHR | January 10, 2008 09:49 PM

昨年は参加したのですが・・・
吉田さんが偶然通られるとは、、、、参加したかったです。
天気がよくて、皆さん、クルマ趣味満喫な一日のようですね。

Posted by: marque | January 10, 2008 06:02 AM

このランチア フルヴィア スポルトの一代前のオーナーと友人で、これに乗った時のエンジン音と快適な車内、稀な照りのあるオレンジボディに惚れてしまって毎度乗るのが楽しみでした。でも数年前手放し、友人さんに譲ったとかでもう二度とこの子には会えないんだ・・・と思っていたのですが今回の催しで3〜4年ぶりにランチアくんに再会しました。大好きな車で、初めて見た時の衝撃が鮮明に残っていてもしも私に資格があったなら、この子が欲しい・・・とまで思った車なので、こんなボリュームで取り上げていただいてるのを見つけて感動しました。
ドキドキです。

Posted by: kemeko | January 10, 2008 01:03 AM

楽しく読ませていただきました。
ちなみにこの集まりはMixi上のコミュニティーである、
「スクーデリア マツバ」の新年会です。
この新年会は去年から始めました。
メンバーそれぞれオーナーズクラブ等所属しているんですが、コアな集まりではない「ゆるい」イベントにしたく、このような雰囲気になりました。
都内でこのように集まれるところは貴重ですよね。

またどこかのイベントや路肩でお会いできるかもしれません。
JrZのイベント、やるときは声をかけます。そのときはよろしくお願いいたします。

Posted by: ヒゲのJrZ | January 09, 2008 06:55 PM

フルビアザガート、知りませんでした。いわゆる、有名なフルビアしか・・・
しかし、、、格好いいですね・・・特にリヤからの眺めに惚れました。
ちなみに、匠様、私は群馬県に住んでいます。
赤城山はマウンテンバイクで楽しむにはなかなかよい場所で、先日も10年来の周回コースをクロスカントリーバイクで堪能してきました。
おかげで、あちこち筋肉痛です(^^;

Posted by: ねぎとろ | January 09, 2008 12:36 AM

SZ、アバルト、フルビアザガート…etc
公道でこんな光景見かけたら、わき見で事故しちゃいそう。
赤色の中にたたずむライトブルーのエラン。
シックで大人っぽく目を引きますね。
SZはK氏のクルマでしたか。
ホイールとロールゲージで判りました。

Posted by: 高尾山のJrz | January 08, 2008 09:46 PM

こういう自然な集まりのニューイヤーミーティングもイイですね。
街行く人も微笑ましく見ているようです。
アバルト・モノミッレの鬼キャンがそそります。

Posted by: komi | January 08, 2008 09:06 PM

イベントでもないのにすごい顔ぶれ(車ぶれ?)。
皆さん楽しそうでうらやましいですね。

ライトブルーのエランはエスロクレーサーさんのですね。ブログでよく拝見します。いつもきれいにされてますよね。

Posted by: きいろいZ | January 08, 2008 07:17 PM

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