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October 29, 2007

フランス、ミディ・ピレネーの1日半。

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東京モーターショー・プレスデイ開幕直前の10月19~22日、例によって2泊4日の超ショートスケジュールでヨーロッパにいってきました。往路はパリ経由、復路はロンドン経由で向かった先は、フランス南西部のミディ・ピレネー地方。その一角の小さな街の高台に建つ古城を改装したシャトーホテル、「Chateou de Mercues」の自室で現地時間20日早朝に目覚め窓を開けて外をのぞんだら、驚いたことに写真のようななんとも幻想的な光景が眼下に展開していたのであります。

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こちらは同じ部屋の別の窓から見えるホテルのレストランに隣接したパティオ。ただしこの地方、おそらく冬は猛烈に寒いらしく、このホテルも11月半ばから3月末まで営業休止になるとのことでありました。

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今回のフランス訪問の目的はこのクルマ、これまでのヴァンキッシュに代わるアストン マーティンの新しいプレスティッジモデル、「DBS」のワールドプレミア国際プレス試乗会に参加することにありました。

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DBSはDB9をベースにしていますが、すべての部分に手を入れて動力性能を一段と強力にすると同時に、ルックスもドライビング感覚もぐっと精悍さを増したクルマです。DBSについて詳しくは『SSCC』を・・・。

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これは試乗を終えた20日夜、ディナーをとるために宿泊しているホテルとは別のシャトーワイナリーに向かったときのカットですが、その入口に展示されたDBSのリアの部分に腰を屈めて、熱心にデジカメを向けている焦げ茶色のジャケットの人物に注目! 彼こそアストン マーティンのCEO、ドイツ生まれのウルリヒ・ベッツその人で、Canon IXYを駆使して押すシャッターの回数は、ブログラファー=ブログ・フォトグラファーを自認する僕に勝るとも劣らないほどなのには感心しました。ベッツさん、もしやゲイドンでブログなんかやってたりして、ハハハ。

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意外なほど新しい樽が整然と寝かされたワイナリーの内部。

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こちらはディナーに移る前のカクテルとシャンペンのひととき。

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試乗翌日21日、ロンドンに向かうチャーター便に乗るまでの時間に、サフランを栽培する農家を訪ねました。明るい色の壁の家とルノーのフルゴネットが、見事に南フランスの田舎の雰囲気を出しています。

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これがサフランの花。料理に使うサフランは花の真ん中の雄しべ雌しべの部分だけなので、少量のわりに高価にならざるを得ないそうで。

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October 25, 2007

東京モーターショーが始まった。

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東京モーターショー、27日からの一般公開に先駆けて昨24日、プレスデイが開幕しました。ここ数年の傾向で、スーパーなスポーツモデルとエコカーの両方が覇を競い合うかのようなショーでしたが、僕はどちらかというと前者を中心に見て回ることになりました。いつものとおり『東京モーターショーTV』なるTV特番のコメンテイターを務めたため、その番組の性格からいってもソッチ方向の収録が中心になったのでした。このメルセデス・ベンツのリサーチモデルであるF700などは、ラクシャリーな大型サルーンを排気量わすか1.8リッターの直4エンジンで走らせようという発想が、スーパーなサルーンをエコに走らせるという点で、両方の傾向を1台にまとめたクルマだといえます。

それにしても、TVに撮られる仕事をしていると、デジカメを駆使して自分で写真を撮るチャンスが猛烈に限られるのが欲求不満でした。というわけで載せる写真はありませんが、僕としてはハイブリッド・スポーツのホンダCR-Zコンセプトと、ほとんど概念のみの段階のモデルですがトヨタ1/X(エックス分のイチ)が気に入りましたね、個人的には。

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この番組では毎回、クルマ好きのタレントさんやスポーツ選手と一緒に会場を回るのですが、今回のお相手は柳沢慎吾さんでした。かつてはアルピナやアーデン・ジャガーに乗り、現在はAMGを所有するという慎吾さん≒慎吾ちゃん、大型の高級で高性能なサルーンがお好きな様子でした。この『東京モーターショーTV』、TBS系の関東圏を除く全国ネットで、おそらく11月2日以降に放映されるので、関東地方以外にお住まいの方は、ぜひ番組表をチェックしてみてください。

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今回“スター・オブ・ザ・ショー”の呼び声高いニッサンGT-Rも、予定どおり幕張で正式デビューしました。このノーズのあたりのデザイン、お世辞にもスタイリッシュとはいえませんが、なにやら独特の迫力を感じさせるのはたしかですね。3.8リッターのV6ツインターボが生み出す480psのパワーは、奇しくもポルシェ911ターボのそれと同じ数字で、駆動方式は4WD。車重は1740㎏と軽くありませんが、リミッターレスの輸出仕様では最高速300km/hを越えるとのこと。それだけの性能でベースモデルが777万円というプライスは、たしかに安いかも・・・。

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このアングルから見たGT-R、僕は悪くないと思いますね。スカイラインGTのテイストを受け継ぐ丸形テールランプを配したリアエンドはともかくとして、途中で折れ曲がるCピラーとルーフラインが特徴的なキャビン形状に、他のスーパースポーツにはないGT-Rらしさが巧く表現されている、と思うからです。そのうちどこかでドライビングするチャンスが巡ってきたら、ブログでもインプレッションをお伝えしましょう。

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October 17, 2007

トリノからアルプスを越えて、パリ経由でブレーメンへ。

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北イタリアにあるフィアットのバロッコ・プルービンググラウンドでは、グランデ・プント・アバルトの他にこのアルファ・ロメオ8Cコンペティツィオーネも走らせるという、イベントフルな一日を過ごしたのでした。

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その翌朝は5時にホテルを出て空港に向かい、まずはパリ行きのエールフランス機に搭乗。機体が水平飛行に移って少しすると、眼下にアルプスの山々が見え始めます。

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このあたりのルートは、南フランスやイタリアへの往復時によく飛ぶから景色を記憶しているのですが、10月初旬でこの景観とは、今年はアルプスの雪も少ないようですね。

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これはパリ、シャルル・ド・ゴール空港に向けて下降を始めたAF機の窓から捉えたショット。10月3日朝のパリ上空はこのように、かなり厚い雲に覆われていたのでした。

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パリで数時間の乗り継ぎ待ちの末、別のAF機でドイツ北部のブレーメンに飛び、空港に迎えにきていたカイエンに乗って着いた先は、素朴な印象のカントリーホテルでした。そこではそう、ポルシェ911GT2のワールドプレミア国際プレス試乗会が開かれていたのです。

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October 10, 2007

もっとアバルト、そしてバロッコ。

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トリノとミラノを結ぶアウトストラーダのほぼ中間のちょい北側に位置するバロッコのプルービンググラウンド、つまりテストコースは、もともとアルファ・ロメオが車両開発のために造ったものですが、アルファがフィアット傘下に入って以来、当然のごとくフィアットの管轄化におかれて、アルファだけでなくフィアット系各車の開発の舞台となってきました。ここには、アルファが購入する以前からあったのか、あるいはその後に建てたものかは分かりませんが、普通の民家風や農家風、あるいは納屋風の建物が点在する一角があって、いわゆる自動車メーカーのテストコースのイメージから想像するビジネスライクな空気とはまったく異質の、なにやらハートウォームは雰囲気が漂っているのが大きな特徴であり、魅力であるといえます。これは、今回の国際プレス試乗会のために煉瓦造り納屋風の建物の前にディスプレイされたヒストリック・アバルトたちですが、どうです「絵」になっているでしょ。

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これは上に写っている1960年フィアット・アバルト1000ビアルベーロの斜めリアビューですが、ザガートのレコルドモンザをベースにしつつアバルトがオリジナルでデザインしたボディはエンジンフードに取り込む大胆なエアスクープが特徴的。ホイールはマニア垂涎のカンパニョーロ・アバルト・マグネシウム。その奥には70年代初頭の3リッターおよび2リッターのオープンボディ・レーシングスポーツが並んでいます。

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70年代前半のフィアット・アバルト124スパイダー・ラリーと、その奥の1962年フィアット・アバルト1000ビアルベーロGT。ビアルベーロはエンジンフードのデザインが2年間で大きく進化、エアスクープが廃止された代わりに後端がスポイラー風に反り返り、エンジンルームを換気すると同時に、後輪にダウンフォースをもたらす形状になっています。

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これはその1962年フィアット・アバルト1000ビアルベーロGT。ビアルベーロとはイタリア語でツインカムの意味。このクルマは有名な元ワークスカーで、1000cc以下のGTによるセブリング3時間やニュルブルクリング500㎞で総合優勝した実績を持つとのこと。ノーズの白いリングの部分は、ドライビングランプ装着跡をカバーしたアルミパネル。密かにコクピットに収まってシフトレバーを動かしてみたら、長いリンクを介しているとは思えぬほど確実な作動感に驚かされたのでした。

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リアエンジンのベルリーナ=セダンをベースにしたかつてのレーシングサルーンで最速のクルマ、1970年フィアット・アバルト1000TCラディアーレ・ベルリーナ・コルサ。ベースとなっているのはフィアット500の兄貴分、フィアット600で、ノーズの巨大なボックス状スポイラーのなかにはエンジンのラジエターとオイルクーラーが収まっています。

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ラディアーレとは半球形燃焼室を意味します。アバルトが当時のグループ5ツーリングカー用に開発した、OHVながらクロスフローの半球形燃焼室ヘッドを備えるフィアットベースのエンジンは、2基のツインチョークウェバーによって982㏄から112psのパワーを絞り出したのです。

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プルービンググラウンド内のグランデ・プント・アバルトの試乗開始ポイントには、こんなお茶目な看板が。さすがイタリアというか・・・。

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こちらはプルービンググラウンドの模式図。ただしこれは何年か前につくったもので、現在はもっと色々コースが増えているといいます。

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この日の試乗会の主役のひとつ、フィアット・グランデ・プント・アバルト。155psの1.4リッター4気筒ターボで6段MTを介して前輪を駆動し、208㎞/hのトップスピードを出します。まるでカントリーホテルのようなバックの建物も、プルービンググラウンドの施設のひとつなのです。

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グランデ・プント・アバルトの斜めリアビュー。7J×17インチホイールに215/45R17のピレリPゼロを履きます。ボディ色は「1949ホワイト」。

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プルービンググラウンドの別の一角では、グランデ・プント・アバルトS2000ラリーバージョンの助手席試乗会も開かれたのでありました。

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S2000のプロフィール。ドアミラーがずいぶんと後ろに付いているのは、ドライバーの着座位置がほとんどリアシート近くにあるためです。

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グランデ・プント・アバルトS2000のディスプレイパネル。ミラーやホイールなどのディテールは上のラリー仕様の現物とは異なっています。

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これがプルービンググラウンドの正門。アリヴェデルチ・バロッコ! 

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October 04, 2007

ABARTHがトリノに復活した。

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9月30日のエールフランス夜中便で成田を発ち、翌10月1日の朝、パリ経由でトリノに着いた僕たちを空港で待っていたのは、「ABARTH」のロゴの入ったプレートを持ったこの人たちでした。そう僕たちが北イタリアのトリノにやってきた理由のひとつは、フィアットをベースにしたスポーツカーブランド、アバルトの復活に立ち会うことにありました。

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空港からホテルに向かうバスの車窓から見た「ミラフィオーリ」なる名前の巨大なディーラー。フィアット系のモデルをすべて扱う、フィアット直営の販売店だそうで、近年の元気のいいフィアットの象徴のひとつでしょうね。

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フィアットの本拠があるトリノはイタリアの自動車工業の中心地、いわばイタリア版モータウンですが、なぜか路面電車が縦横無尽に走っている印象がありました。

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かつてフィアットの工場があったリンゴットの再開発地区に建つ僕らのホテルにその日の午後、グランデ・プント・アバルト・エッセエッセ=SSがやってきました。運転していたのは新生ABARTH & C.S.p.AのCEOに就任したLuca De Meo=ルカ・デ・メオ。

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これがコルソ・マルケ32番地=マルケ通り32番地にオープンした新生アバルトの基幹店「OFFICINE ABARTH」=「オフィチーネ・アバルト」のモダンでちょいと派手な外観。

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その2~3軒となりのこちらが、50~70年代にアバルト=ABARTH & Co.の本拠だったコルソ・マルケ38番地。建物の佇まいは昔のままで、今でもこの中央の通路にサーキットへの出撃準備の整った真っ赤なレコルド・モンザが並び、オフィスへと続く左の階段からカルロ・アバルトが出てきそうな雰囲気。思わず感涙にむせびそうに・・・。

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オフィチーネ・アバルトで開かれたプレスコンファレンスのディスプレイに投影された巨大なABARTHのマーク。若かりし頃、このサソリのマークに熱いものを感じたのは僕だけではないでしょう。

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この3人が、若きCEO、Luca De Meoの下で新生アバルトを取り仕切る面々。向かって左から営業&顧客担当のLabate、技術開発&生産担当のOllino、コンペティションを含むエンジン担当のMatinelli。

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自ら生み出した魅力的なスポーツカーやレーシングカーの前で、なぜかピクニックのポーズを採る偉大なるアバルトの創始者、カルロ・アバルト。ご存知の方も多いと思いますが、実はアバルトは生粋のイタリア人ではなく、オーストリアの生まれなのでありました。

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これは、オリジナル・チンクエチェントをベースにしたかつてのアバルトの典型的なジャイアントキラー系モデルのひとつ、フィアット・アバルト695エッセエッセ=SS。

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その695SSのリアビュー。エンジンルームの熱気抜きと、リアスポイラーの効果を兼ねて、開いた状態で固定されたエンジンフードはリアエンジンアバルトのチャームポイントのひとつでした。

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こちらは新生アバルトのコンペティションカー、フィアット・グランデ・プント・アバルトS2000。270psを絞り出す2リッターNAエンジンによる4WDで、主なコンペティションの舞台はラリー。

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当時のコルソ・マルケ38番地の本社屋前で撮られた、1959~60年型フィアット・アバルト850(一説に1000)ビアルベーロ・コルサのモノクロ写真と、新生アバルトを象徴するファッション部門の製品、Tシャツが違和感なく同居するの図。オフィチーネ・アバルト内ブティックで。

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