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September 08, 2005

箱根伊豆、試乗会3本立て。

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    九州を中心に猛威を振るった台風14号が日本海に去ったこの日、箱根伊豆方面は前日とは打って変わって素晴らしい晴天に恵まれました。そしてそこでは日欧のニューモデルのプレス試乗会が3つも開かれていて、僕もそのすべてに参加したのでした。

 そのひとつは朝から芦ノ湖スカイラインで走らせたニュー・フォード・フォーカス(画像1)でした。去年の秋にヨーロッパでデビューしてからほぼ1年遅れて日本市場にやってきた2代目フォーカスはまず、先代より一回り大きくなったボディが目につきます。4350㎜の全長はともかくとして、1840㎜という全幅は、Cセグメントもついに1800㎜を大幅にオーバーしたか、と驚かされます。とはいえフォーカス2.0に乗ってみると、少なくとも箱根のようなオープンロードでは、幅広いことによる実害は感じませんでした。その弊害はたぶん、都内の裏道を走ったり、駐車したりするときに実感するんでしょうね。ところで、同じCセグメントのハッチバックなので、僕はつい自分の乗っているゴルフⅤと比較してしまいますが、そうするとフォーカスはパワートレーンがちょっと辛いかも、と思いました。145psの2リッター4気筒は、高回転に至るとスムーズさと静かさを失いがちになるし、ゴルフの6段に対して4段のATもいささか時代を感じさせます。その一方で、シャシーにはなかなか好ましいものを感じました。わりとソフトなサスペンションは若干のロールを許す一方で、適度に俊敏な身のこなしと当たりの柔らかい乗り心地を提供してくれるんですね。総じて、ゴルフⅤに感じられる肝っ玉母さん級の安定感と安心感はない代わりに、フォーカスは適度に姿勢変化するファン・トゥ・ドライブ系の挙動が持ち味に思えたのです。ちなみにフォーカスは2.0が税込み270万円、1.6が220万円という価格設定であります。

 続いて昼過ぎにはスズキ・スイフト・スポーツ(画像2)を、これも芦ノ湖スカイラインで走らせました。スイフトは今年の春、ベーシックな1.3リッターの5段MT仕様に乗って、その小気味好いハンドリングに予想以上の好感触を得たのが今でも記憶に残っていますが、今回のスポーツは125psを発生する1.6リッターDOHC16バルブの専用ユニットに5段MTもしくは4段ATを組み合わせた、その名のとおりのスポーツ系モデルであります。今回はそのなかのMT仕様に乗ったのですが、7000rpm弱まで気持ちよく回るエンジンを存分に引っ張り上げながらコーナーの連続を駆ける愉しさは、こういう小排気量のスポーツモデルならではのものがありました。しかも、16インチのダンロップSPスポーツをオーバータイヤに感じさせず、アンダーステアの軽い意のままになるハンドリングと硬すぎない乗り心地を両立させた脚も、かなり好感の持てるものでした。オーバーサーボ気味でリニアリティに欠けるブレーキと、ヒール&トゥに適さないスロットルペダル、それにヒップポイントの高すぎるシートなど、気になる点も幾つかありましたが、税込み150万円台半ばのプライスから考えると上出来の小型スポーツハッチではないかと思ったのです。ただし、スポーツ専用の内外装デザインは、僕のようなオヤジが乗るには少々若々しすぎて、ノーマルのままの方が好ましいのに、とは思いましたけど。もっとも、50代後半のユーザーなんて、もともと想定外なんでしょうが・・・。

 さて、スイフト・スポーツの印象をスズキのエンジニア氏に伝えるとゴルフGLiに飛び乗ってすぐさま伊豆方面を目指し、伊豆スカイラインを主な舞台に設定したマツダ・ロードスターの公道試乗会に赴きました。そこでは、5段MTと16インチタイヤを備える“素”のロードスターと、6段MTに17インチ+ビルシュタインダンパーおよびトルセンLSDを奢ったRS、それに“素”の6段ATバージョンからなる3モデルに乗ったんですが、もしも自分でロードスターを買おうという気になったときには、どのモデルにするか相当に迷うのではないかと思いました。というのは、今回初めて乗った“素”のロードスター(画像3)が、意外といいんですね。16インチタイヤでもロードホールディングに不足はなく、コーナリングは充分に愉しめますし、スピードを上げたときの乗り味も思いのほかしっとりしています。それに加えてギアボックスは5段でも特にハンディを感じることはありません。

 一方、17インチタイヤにビルシュタインを装着するRS(画像4)は、ダンパーのフリクションが少ないことから低速での乗り心地はスムーズなんですが、逆にスピードが上がると“素”のノーマルダンパーより姿勢変化が大きく感じられるのがちょっと気になりました。とはいえ、サーキットではLSDが欲しくなるので、サーキットを攻めることまで想定しているんだったら、トルセンLSD標準装備のRSを選ぶべきかもしれませんね。それに加えて、アイシン製6段AT装着のモデル(画像5)も、剛性感のあるレバーを前後に動かすことでマニュアルシフトできるのが意外と心地好く、これはこれでアリではないかと思ったのでした。このATのマニュアルモードは、フォーカスもロードスターもレバーを前に押すとシフトダウンするBMW方式を採用していたので、少なくともヨーロッパフォードとマツダは、それで統一したんでしょうね。

 それはさておき、いずれのモデルでも、ステアリングはあくまできっかけにすぎず、スロットルのオン・オフでコーナーを回っていくかのようなロードスターのハンドリングは、伊豆スカイラインでもすこぶるファン・トゥ・ドライブに感じられたのであります。となると、“素”の5段MT仕様なら税込み220万円、同ATで230万円、RSで250万円というプライスは、いずれもかなりのバーゲンじゃないかと思いました。そういう意味では、150万円台のスイフト・スポーツより割安感があるといっていいでしょうね。なにせロードスターはセダンやハッチバックのバリエーションではなく、ボディからして一品モノなんですから。

 それにもうひとつ、この日は、伊豆の海岸線と道路が織り成す景観の美しさも再認識しました。台風一過の空気が猛烈に透明で、驚くほど遠くまで見通せたこともあって、伊豆スカイラインとその彼方に見える海岸線、それに紺碧の太平洋が折り成す爽快な景色は、ニースやモンテカルロの裏山から望む地中海の景観にもさほど遜色ないじゃないか、と思ったのであります。強いていえば、海岸線に迫る山の嶮しさやそこに点在する建築物の佇まいの違い、それに海の色合いの違いなどから、南仏コートダジュールや南イタリアのナポリ郊外アマルフィー海岸の景観に漂う「甘美な趣き」に欠けるのが、日本の海岸線の景観の弱点といえるかもしれませんが・・・。

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Comments

自分はスイフト1.3のMTに乗っているのですが、ワイドなセッティングで回転落ちが大きくワインディングの上りでは苦労しています。
スポーツのクロスミッションは如何でしたか?
とにかく早く試乗してみたいです。

Posted by: あき | September 11, 2005 at 01:22 AM

伊豆箱根エリアでの一気試乗おつかれさまです。
楽しく今回の記事も拝見させていただきました。

私としては特にロードスターが気になります。
前回の筑波でのパイロンを置いた試乗会の不完全燃焼感を吹き飛ばすような楽しい試乗だったことが文面から伺えました。

やはり素のモデルがイイのですね。
初代の純正14inchを履いている私としては、いかに三代目といえど、RSの17inchというのはいかにも靴が大きすぎるように感じていたので、それを裏付けるようなコメントをいただけてうれしく思いました。

素とRSとの中間のようなものが、またそのうち出てくるのかもしれませんね。

地元のディーラーでもAT、MT共に試乗できるようですので、混雑が落ち着いたら私も出かけてみようと思っています。

Posted by: uz | September 10, 2005 at 08:44 PM

スイフト・スポーツ、運転してみたいです。

Posted by: らた | September 10, 2005 at 08:18 PM

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